「……お前、俺と気が合うな」

「嬉しいです」

「……だが……。天音は、俺の大事な娘だ……」

「重々承知してます」

俺は、天音が両親からもらった愛の倍をあげたいと思っている。

天音のお願いはなんでも聞こうと思うし、天音を泣かせたりはしない。
……俺が意地悪する時以外は。だ。

「……じゃあ、天音のことは頼んだぞ」

「……!!!はい!!」

「ただし、浮気したら殺すからな」

「わかってます」

天音しか見えてない俺にとって、まず浮気は無理な者だ。

俺がこころから愛するのは、前世も来世も、なにがあっても天音だけだ。


でも……。

「ふたつ、いいですか」


気になることがあった。

「ああなんだ」

「結構すんなり天音をくれていいんですか?」

「それは、お前が質問にクリアしたからだ」

「本音は」

「天音がいなければまた新婚の時のように天乃とイチャイチャできるし意地悪し放題だからな」


……案の定、か。


「でも、少なくとも1ヶ月に一回はあいにくること、毎日メールをすることが絶対だ」

「わかりました」


意地悪って……この人、イチャつくのも意地悪も天音の前で絶対してるだろうに……。