……その言葉を放った瞬間、にこにこしていた颯の表情が一気に冷たくなり、冷たい視線を私に送ってきた。


「……なにそれ」

「はぁ……姉弟の戯言」


そのぐらいわかりなさいよ。


「いや嘘だね!!!俺と結婚したら陽太と浮気するんでしょ?」

「なに被害妄想してんのよメンヘラ」

「め、メンヘラ……!?ようちゃんって、メンヘラ嫌いだよね……あー……もう生きてる意味もない死にたい……」


はぁっ……すぐこれよこれ……。


「ほら颯」

「……なぁに……?」

「そんな泣かないで」


ポロポロと涙を流れる颯の頬に手を当てて、視線を交わらせる。


「私が好きなのは颯だって言ってるでしょ?それに、颯が死んだらどこの王子様が私のことを守ってくれるの」

「!!僕しかいない……でも、幽霊化して——」

「バカなこと言わないの。私には颯しかいないの。だから、ずっと一緒。浮気なんてしないし第一できないわよ。颯に束縛されてるし、颯しか眼中にないんだから」


こうやって颯に真実を述べると、安心したのか表情が穏やかになる。


「ちゅー……して?そしたら信じる」

「はいはい」


ちゅっと颯に口付けて、とりあえず颯の情緒は治ったみたい。