颯は初恋で、ヤンデレだってわかったのは中学生の頃だったけれど、天音も応援してくれて、幸せだった。


……そして、いま……。


「よ〜うちゃーん!」


ぎゅっと颯に抱きつかれて、いま私のいる場所は牢屋だ……。

まったく……!ちょっと男に話しかけられたくらいで大袈裟なのよ……!!


「いい加減に……!」

「……ん?なんか文句ある?ねぇよな?」

「っ……あーはいはい」


独占欲の強いあまりかこんな俺様口調になることも増え、ビビるばっかりだ。


「もう、大袈裟」

「大袈裟じゃないよ!ようちゃんが他の男と喋ってるなんて、この世の終わりだ……」

「そんな顔しないで」


もうなにもかも終わったみたいな顔して……はぁ……。


それでも、私を一途に愛してくれていることが嬉しくて、ずっと一緒にいたいとは思ってる。


それに、逃げられそうにないし。


「……大好き」

「……え?」

「大好きよ。安心して。颯以外には好きにならない。私には颯しかいないわ」

「……!!ようちゃん……!!」


涙を流しながら私のことを再び抱きしめる颯。

まったく……大袈裟ね。


「……そのかわり、捨てるなんて許さないわよ」