これは、私と颯の物語。


……遡ること10数年。


私たちは、幼なじみとして仲がとてもよかった。

それこそ、生まれた日にちも病院も同じで、生まれた瞬間から幼なじみといっても過言ではないくらいに。


「ようちゃん!おはよう!」

「あ、颯……おはよう」

「えへへ、今日も可愛いね」


颯は私に毎日べったりで鬱陶しいくらいだった。


けれど……。


「この女顔ー!」

「キモいんだよー!」

「っ……うわぁんっ……!!」


いじめられている颯を放っておけなくて、幼稚園生の頃はよく颯を助けていた。


「ようちゃん……ありがとう……!!」

「ふんっ……!感謝しなさい!」

「ありがとうありがとう……!!ようちゃんだーいすき!」


むぎゅっ

「ひゃ!?」


急に抱きついてきたりして、最初は弟みたいなものだった。


でも小学校高学年になった時に、それは変わった。


「颯くん!私と付き合ってください!」


颯の告白されている姿を見てしまったのだ。


その瞬間、颯が私の前から消えてしまうのではないかとものすごく寂しく思ってしまった。


けど颯は……


「ごめん話しかけないでくれるかな?気持ち悪いよ。僕にはようちゃんしかいないんだ。あ、これを理由にようちゃんをいじめたらぶっ殺すからな」

「ひっ……!!」


そんな断りをして、ずっと私のそばにいてくれた。

それから徐々に徐々に好きになっていって、颯に告白され両思いでカップルに。