……私も教室に戻らなきゃな。

久遠くん、さっきよりきっと不機嫌だよね……!?

みんな、無事だといいな……。



……それから私は廊下から教室に戻り、自分の席に着く。


久遠くんは朝っぱらから自分の席でうつ伏せながら寝ていた。


「ねぇ天音」

「あ、陽奈ちゃん!」

「久遠と喧嘩したの?」

「あっ……うん……」


陽奈ちゃん、久遠くんに聞いたのかな……?


「さーて。亀裂が入ったけど。どーするのよ」

「うーん……どうしよう……」

「久遠なんか機嫌が悪すぎて教室の空気がピリピリよ」


ほ、本当だ……。


ジーンと静まりかえって、久遠くんが寝たことに感謝をしている人がいっぱいいる……。


「はぁ……本当にアイツと結婚していいわけ?」

「け、結婚……あっ……うん……」


久遠くんのことは、大好き、だから……。

そう思った瞬間、久遠くんがぴくっと震えた気がした。


「……っていうか、いいかげん告白の返事したらどうなのよ」

「へっ……あ!そ、そうだね……」

「なんか残念そうね。まさか男たらし?」


くすくすと笑いながらそう言う陽奈ちゃん。


「ちがうよ!でも……お断りしたら、いつも通りにみんなが仲良くしてくれる気がしなくて……」

「あーそういうことね」