今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

「……天音!!」


っ……!!久遠くん!!この声は久遠くんだ……!!


「久遠くん!!!」


久遠くんの声がする方へ行こうとするも、足を鎖で繋がれてて身動きが取れなかった。


「久遠くん!!ここだよ!!!ここにいるよ!!!」


とにかく、久遠くんにこの場所にいることを知らせないと!!


「っ!!天音!!」


急に現れた久遠くんは私をぎゅっと強く抱きしめた。


「ううっ……久遠くん、きてくれてありがとう……」

「ごめんね天音、もっと早くにこれなくて……」

「ううん!……よかった……久遠くん……大好き……」


やっぱり助けにきてくれたんだ……!


安心して、身体の力がゆっくりと抜けていく。


「……っ……僕もだよ」

「……お、お前が上杉久遠か」

「あ”……?てめ誰だよぶっ殺すぞ」

「く、久遠くん……!!この人は……!!」


私の声など聞こえていないのか、ふたりは火花を散らすように視線を交わらせて殺気を放っている。


「……てめぇら全員死刑だ覚えとけ!」

「ひっ……!」


皇河さん以外はみんな震えて、身動きも取れないらしい。


く、久遠くんがの眼力すごいな……。