「それは可哀想……」


天音が本気でしゅんとしていて、その可愛さに胸を打たれるも、憎くて憎悪も増す。


「あっ……じゃあ、私も嫌だよね」

「ちがう!天音ちゃんは大好きだよ!ほら、こうやって触れられる」


どさくさに紛れて天音の小さくて可愛い手を包み込むように握った理人。


「……天音、だめだよ他のヤツなんかに触られたら」

「あっ……ご、ごめんね……でも、これは多分理人くんの意思表示みたいなもので……」


天音が思ってる意思表じゃあないけどね。


「……ちがうよ。っていうか、天音の可愛い手は僕のでしょ?」

「か、可愛くはないけど、私は久遠くんのものだからっ……そうだね」

「うん」


なんだそれ可愛い。

ちょっと照れてて可愛い。


本当に全部可愛い。


「理人くんごめんね……話してもらえないかな?」

「……じゃあ、俺の告白の返事きかせて?」

「え、えっと……」


天音困ってる……。


可愛い……!!!!


「ごめんなさいっ……私には、久遠くんっていう大好きな人がいるから……」

「……そっか。ありがとう」

「ふぇ?」

「俺、余計に燃えちゃった」


嫌な予感がして理人の手を振り払い、天音を後ろから抱きしめた。