今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。

「うん、犬にしてあげる」

「してあげるとはっ……?」


よくわからないけど、久遠くんが嬉しそうなら、いっか……。


「……もしさ、僕がうさぎ系彼氏だったらどーする?」

「……?うさぎって可愛いからいいんじゃないかな?」

「!ふふっ、そっか」


たしかに、久遠くんはうさぎでも十分可愛いと思う!


「あ、天音、僕の家寄ってかない?」

「?ど、どうして?」

「今日は陽奈と颯が来るから。よかったら幼なじみ同士、色々と喋れたらなーって」

「あ、でもっ……」


今日はお家で3時間お勉強するつもりだったんだよね……。


「なにか用事があるの?」

「ちがうよ……!でも、今日はお勉強する予定があるの。大学受験に向けて」

「え?大学行くの?」

「う、うん……?」


な、なんでそんなに絶望的な顔をするのっ……!?


「どこ行くか決まってるの?」

「決まってないけど……、全体的に学べたらと思って……」

「天音は、高校卒業したら僕と結婚するんだから行かないで」

「ええっ……!?」


けっ、結婚って……そんなに早くにするの……!?

20歳とか、大人になってからだと思ってた……。