久遠くんは、どこでも恥ずかしいこと言うよね……。


「天音、これから帰るでしょ?変な男のところになんて行かないよね?行けないよね」

「へっ?あ、うんっ……私は、久遠くんのものだよ……?」

「っ……。ごめん、監禁していい?」


ま、また怖いこと言ってる……!!


「だ、だめだよ!そんなことしたら、警察に捕まっちゃうよ!」

「あはははっ、冗談だよ。ちょっとだけ」


やっぱり冗談じゃないじゃないっ!


「め!いいね?」

「うん、わかった」


な、なんだか久遠くんが尻尾振ってるわんちゃんに見えるっ……!


か、可愛い……!!


「天音、家まで送ってく」

「へ?わ、悪いよ!」

「いいの。ほら行くよ」


ぎゅっと離れないように久遠くんは私の手を握って、そのまま車まで向かわされてしまった。




「乗って」

「だ、だからっ……」

「言うこと聞けないの?天音ちゃんはおバカだね」

「っ……私は、おバカじゃないよっ……!!」


そう言い換えすると、ふっとカッコいい笑みを浮かべてそのまま車に連れ込まれた。


そして……。


「天音はちっちゃいね。やっぱり」


久遠くんの膝に乗せられて、片手はお腹、もう片手は私の頭を撫でながら久遠くんはご機嫌な様子でいた。