そして、その日以来から天音と話す機会が増えたのだった。


『へぇー!!仁くんも弓道やってたんだ!!』

『天音も?』

『うん!』


どうやら天音はピアノ、バイオリン、弓道バレエを過去に習っていたというエリート、だった。


俺も中学一年生の時に弓道をやっていたので話しは盛り上がっていた。


そしていつしか、天音が好きだと気づいて。


思いを綴りたかったけれど、それは久遠によって阻まれてしまったが……頑張ろうと、してる。


「はははっ、なに言ってるの上杉くん。僕は同姓同名なだけだよ」

「そっかー。じゃあなんで天音に近づくわけ?」

「そんなの上杉くんには関係ないよ」


つくづく面倒くさいヤツ。


「関係あるよ。俺はこの国の将来を背負ってるも同然なんだから。それでその同じ立場にいるお前のことを放っておけない。」


外には俺が変装してるなんて流してないし、やっぱり名前も変えておくべきだった……?


「……ご、ごめんね仁くんっ……な、なんだかよくわかんないけど、ちょっかいかけたらだめだよ久遠くんっ……!!」

「はーい」


素直に天音の言うことを聞いた久遠は天音を後ろからぎゅっと抱きしめる。