……一週間付き合って、わかったことがある。


それは、久遠くんは……。


神級に可愛くて、天然だ!!


思ってた以上に久遠くんは天然だったのだ。


私の前だとやけにふわふわしてるし、言葉を意のままに信じるし、お金を貸してなんて言われたらなにも聞かず渡しちゃうくらいだと思う。


そ、そんな可愛い久遠くんは、私が守らなくてはっ……!!



そして、とことこと3人で歩く廊下。


「……あ!天音」

「ん?どうしたの、仁くん」

「僕、数学が全然わからなくて……今度教えてもらってもいいかな?」

「!いいよ!」


嬉しいな。それはつまり、私を頼ってくれてることだと思うし。


「えへへ、ありがとう」

「ふふっ、うん!」


そして、最近気づいたのだけれど、仁くんは実はかっこいいんじゃないかと。


あっ……!決していまがカッコよくないわけじゃなくて……

いまもカッコいいんだけど、本当はもっとカッコいいのに、それをわざと隠しているような気がしたのだ。


この間、仁くんがまんまる大きいメガネを落とした時に素顔が見えて、モデルさんのようにカッコよかったと思うから。


「あ!あと、天音と久遠が付き合ってるって本当?」

「!そ、そうだよ……!」


急にそんなことを聞かれて、少し照れてしまった。


「……へぇ、そっか。あ!じゃあ、天音は久遠のどんなところが好きなの?」

「ええっ……そ、それは」


久遠くんに助けて欲しいと視線を送ろうとすると、その前に期待を胸に尻尾を振っているわんちゃんのような久遠くんがいたのだった。



ううっ……ここは、答えるしかない……。


「優しいところ、不器用なところとか可愛くて……何年も前から一途に想い続けてくれてるところかな!」


本当はもっともーっとあるけど!


「……へぇ!ゾッコンなんだね!」

「へっ?あ、は、はははっ……」


なんだか恥ずかしいっ……。


「……じゃあ逆に久遠はどこが好きなの、天音の」


……!それは、詳しく聞きたいな……!!


「……いいんだな」

「……?ど、どういうこと……?」



なんだか急に兄嫌な予感がしてきた。


「優しいところ、俺にたまに甘えてくれるとこ、天使みたいな性格、声めっちゃ可愛い、愛らしいの塊——」

「す、ストーップ!う、嬉しいけどっ……」


さすがにいいすぎだよっ……!!