なぜ一緒に帰ってるかもわからない帳(トバリ)ナンチャラと、どうでもいい話をして頭を無駄に使わせないで欲しいくらいだった。


「っつか理人も理人ですごいよねーこの歳で女遊びとか」

キャハハと笑っている帳。


……別に、少しはグレたっていいだろ。


親からは見放されて、これでも人間不信な方なんだから。


……それから、帳とは家に帰る道的に解散をして、ゆっくりと兄さんと二人暮らしをしている家に帰って行った。


でも、その帰り道だった。



俺の人生が狂ったのは。



トンッ

「ひょえっ……!?」


バタン


女にぶつかったかと思えば、聞いたこともないような天使ボイスで変な声を出した女。


「……大丈夫ですか?」

「あっ……す、すみません!」


手を伸ばすと、その小さな手を俺の手に重ねてきた。

その瞬間、ドクッドクッと心臓が音を立て始めた。


「……ほんっとにすみませんっ……!!」


ぺこぺこと頭を何度も下げる女。


……メガネかけてるし、ノートらしき教材用具を持ってて、まさにガリ勉って感じだ……。


でも、その姿はきっと相当な美人なんだなとわかるくらいだった。

綺麗な髪に、一部左右に耳のように結ばれた団子のような髪型で、ロングの部分の髪型サラサラしていて、思わず触れたくなってしまいそうになった。