「……天音?」


な、なんだか頭がクラクラするっ……。


心なしか頬が熱い気がして、目の前にぼんやりと久遠くんの可愛いくまちゃん姿だけが見える。


「えへへっ……幸せで……」


色々と急にありすぎたけど……きっと人生こんなもんだよね……?

私は、いま初恋の相手、久遠くんと結ばれて、本当に幸せだと思う。


「へへへっ……色んなことがいっぺんにありすぎて、頭ぐちゃぐちゃだけどっ……幸せ……」


そう言いながら、呑気に久遠くんの首に手を回した。


その後、私は久遠くんの愛らしい姿を写真に収め、久遠くんも私の恥ずかしい姿を写真に収め、誕生日会は終わりを迎えたのだった。



……でも、この時はまだ知らない。



……まさかあの人物が裏で動いていたなんて——