「こ、こないだねっ……!くまさんに会う夢見たのっ……!」

「くま?」

「うん!それで、ぎゅうってして、お耳もふもふさせてもらったんだっ……!!」


話を逸らすべく、こないだ見た夢の話をした。


「ふふっ、それで?そのくまさんとはどうしたの?」

「ま、マスコットキャラみたいで、ちゅーってしたくれた——」

「へーで?」

「あっ……え、えっと……」


や、やややややばいっ……!

もしかして、地雷踏んじゃったかなっ……?


「ご、ごめんな、しゃいっ……」

「あはは、ごめんって言って欲しいわけじゃないんだよ?」

「じゃ、じゃあなんて言えば——」

「……この指輪、ちゃぁんと除菌したから、またつけて?」


そう言って差し出されてた指輪。

これは間違えなく、私が久遠くんにもらった指輪だ……。


で、でもどうしてわかったんだろうっ……?


「ほら早くつけろってば」

「あっ……で、でも、私たち、別に……」


付き合ってもいないのに、おかしいと思う、な……。


「俺の気持ち、伝わってなかったの?」

「ち、ちがう!そ、そうじゃないよ!で、でもね……」

「……じゃあ、今日の放課後屋上にきて」

「へっ……あ、わ、わかったよ!」


ほ、放課後、屋上……。

よし、覚えたっ……!


その後私は久遠くんに手を引かれ、再び教室に連れ戻される。