「まぁそれ聞くと、完璧に見える天音ちゃんでもやっぱり弱いんだなーって思うだろ」

「ああ」

「まぁ俺は天音ちゃんじゃなくてようちゃんのことでわかってるけど」

……天音が、その感情を俺に押し当ててくれたことがすごく嬉しかった。

「……そんでさ、今日はスペシャリストを呼んだんだー」

「……スペシャリスト?」

「天音ちゃんの幼じみ、瑠夏くんでーす」


颯の言葉とともにガチャンと部屋のドアが開き、入ってきたのは……。


「……7か」

「その通りーよく知ってたね」

……学園の、7人目の王子と言われる……。

白雪瑠夏、か。


「なんのようだよ」

「あ、あのっ……先輩方」

「その喋り方やめろ」

「……チッめんどくせぇ」

案の定キャラ変を成し遂げた白雪瑠夏。


「あのさぁ?なんで俺が学校サボってまでこんなとこに」

「んあ”?てめぇ俺の妻に話しかけた罰だボケ」

颯が白雪を目だけで殺りそうな殺気を放った中、まったく動揺しない白雪。

 
「てめぇらんなこといいからさっさと本題入れ」

「チッ……あーそれでねーコイツ、天音ちゃんのことちっさい頃から知ってるらしいよ」

「……殺す。おい颯手伝え」

「大賛成」


俺と颯の殺気で部屋が溢れた。