「……それでさ天音」

「?う、うん……?」

「天音って、本当に俺のこと、好きなの?」

……?ど、どういうこと……?


「だから、俺は天音のこと——」

……。

わかんないよ。


そういえば、私ちゃんと、告白してないよね……。

そうだった……ちょっと幸せなだけ……。

久遠くんも、無理矢理流れで、きっと婚約してくれたんだよね……?

「や、やだよっ……!」

「え?」

「久遠くんは……!!!久遠くんは、私のこと……」


……本当に、私って、喜怒哀楽が激しいよね……。

でも、理人くんに、キスされそうになった時も久遠くんは助けてくれて……。


お熱の看病もしてくれて、大好きでいっぱい溢れてるのに……。


「……っ」

ああもう泣きそうだ。

久遠くんはこんなに優しくしてくれるのに、自分だけわがまま……。

「……私……久遠くんのことが恋的に、好き、だよ……?」

「っ……ちょっとま——」

「でも、久遠くんは助けてくれた時みたいに、とっても優しい人だから、私にも好きとか、言ってくれたんだよね……」

婚約だって、そうだ。


久遠くんが、きっとご両親さんを安心させるために、したんだ……。

「っ……久遠くんは、優しい人……で……大好きっ……だけど……出てって……」


私最低、だ……。