ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 万能なあなたにも難しいこととかあるんですか、と思っていると、桔平は、

「どういう男がお前の好みのタイプなんだ?」
と訊いてくる。

「えーと、尊敬できる人ですかね?」

 ますます難しいな、と桔平は言ったが。

 実はそこはそうでもない。

 真珠はある理由によって、桔平を尊敬していた。

 だが、今、それをここで口に出すのは、ちょっと嫌だった。

「そうか。
 俺を尊敬しているのか。

 じゃあ、俺のこと好きなんだな。

 俺がお前の素敵な旦那様か。

 わかった、襲おう」
という危険な話の展開を迎えそうな気がしたからだ。

 ……この人何故だかわからないが、昨日から、私を手籠(てご)めにしようとしているからな。

 そろそろ子どもを作れと周囲から言われているのだろうか、と真珠は身構える。