ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「いい国ですよね」

 少し落ち着いた真珠は、サメがいなくなり、平和になった感じの海を見ながら、そう呟いた。

「そういえば、ドバイのパトカーってスーパーカーが多いですよね。

 ランボルギーニとかフェラーリとか。

 日本のGT-Rも見ましたよ。

 すごいですよね。
 空飛ぶバイクも導入するそうですし」

「いや、お前、警察への連絡方法もわからないのに、そんなことは知ってるのか」

「パトカーのこととかは、たまたまテレビかなにかで見ただけです。
 ドバイに来ることになるだなんて思ってもいなかったので、警察の番号なんて調べてませんよ。

 ……あなたがドバイにいたのも知りませんでしたし」

「まあ、ここにずっといるわけじゃないけどな」

 素っ気なく桔平は言う。

「あの、結婚とかされないんですか?」

 そう言うと、桔平は不思議そうにこちらを見た。

「結婚なら、お前としてるだろう」