ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「なにしてたんだ?」
と問われた真珠は

「魚見てました」
と答えた。

「不思議ですよね。
 ドバイって、ビルと砂漠の街のイメージだったのに、何故か魚ばかり見ています」

 そう言いながら、結局、また魚を眺めていると、桔平が横に腰かけてきた。

 なんとなく横にずれると、
「……何故逃げる」
と言われる。

 いや、私は何故、側に来るんですかと訊きたいですが……と更に移動しようとして、腕をつかまれた。

「け、警察を呼びますよっ」

 なんとなく身の危険を感じ、思わずそう叫んだが、桔平は冷静に、

「お前、ここの警察、何番にかけたら来るのか知ってるのか?」
と言ってくる。

「えっ?」

 そういえばっ、と真珠はスマホで調べようとしたが、スマホをつかむ前に払われる。

 あっ、と床に転がるスマホを拾おうとして、抱きとめられた。

「な、なにするんですかっ。
 け……」

 警察は呼べないな、と思った真珠は、
「なにかを呼びますよっ」
と叫んだ。

 だが、案の定、
「……なにかってなんだ」
と言われてしまう。