ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「急に休みをとるとか無理だ」

 無理だが、……時間は作ろう、と桔平は言った。

 だから、せめて夜だけでもと思っていたのだが。

「明日なら、日中三時間くらい休めないこともないですよ」
とスケジュールを管理している侑李が教えてくれる。

「ちょっとごゆっくりされては」
と言われたが、三時間か、そんなにゆっくりはできないなと思う。

「……何処か行くか」
と真珠を見下ろし、訊いてみた。

 真珠は、
「あっ、じゃあ、みんなにお土産を買いに行きたいです」
と言う。

「土産か。
 まだオールドドバイには行ってないんだろう。
 スークに行くか」

 はいっ、と真珠は笑った。

 披露宴でも見たいい笑顔だ。

「花嫁さん食べちゃ駄目って言われたんですけど。
 このフグは食べてもいいですかねっ」
と訊いてきたときだ。

 神妙な顔をしながら、隙を縫って食べてたな……と思い出し、笑いそうになる。