ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「そういえば、昔はカイロは眠らない街とか言われてましたよね。
 遺跡や石造りの建造物がライトアップされてるのとか綺麗ですよね~」

 見てみたいです、と言う真珠は行動が早いので、今にもスマホからチケットを押さえて、カイロに向けて飛び立ちそうだ。

 桔平は思わず叫んでいた。

「昨日はモルディヴ、今日はカイロ!
 明日は俺は、何処に帰ればいいんだっ!」

「いや、別に私のところに戻ってこなくてもいいのでは……」

 秘書ではなく、幼なじみに戻って笑い出す侑李に睨みを利かせながら、低い声で真珠に言った。

「……名ばかりの妻にわざわざ来てもらったんだ。
 一応、もてなさないといけないだろうが」

 侑李が笑ったまま提案してくる。

「ちょっとおやすみされて、お二人でお出かけになられてはどうですか?」

 いつも働きすぎですから、社長、と言われる。