ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 席に戻り、個性的に飾られたチョコのスイーツを食べながら、桔平は訊いてみる。

「明日の予定はもう決まってるのか?」

 いや~、と真珠は丸く盛られたアイスの上の焼き菓子を食べながら、少し悩んでいる風に言う。

「特に決まってないですけど。
 ああ、そういえば、カイロに行ってみたいですね」

 何故、カイロ!?

 どうしてお前はドバイの外にばかり行きたがるっ、と思ったのが顔に出たようで、真珠は、

「いや~、せっかくここまで来たので、ちょっと足を伸ばして、スフィンクスとか見たいかなって」

 前の仕事のとき貯めたお金が少しはありますが。
 なかなかこんなところまでは来られないので、周辺国を回りたいかなと思って、と真珠は言う。

「……お前、なにしにここに来たんだ」

「それなんですけど。
 肝心な用事はいつあるんですか?」
と言われ、桔平は、ぐっと詰まった。