ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「いえ、結構です。
 何処か観光したいです。

 ひとりで見て回るので、大丈夫ですよ」
と言ったが、桔平は不安そうだった。

「私が奥様をご案内しましょうか」

 助手席の侑李が言い出す。

 桔平は何故か舌打ちしたが、
「まあ、お前が一番適任か」
 任せた、と言う。

「大丈夫ですよ」
と侑李は軽く言って笑った。

「私は裏の世界にも通じてますので安全です」

 それ、かえって不安ではっ?

「ご安心ください、真珠様」
と笑う侑李の顔は美しすぎ、また、桔平と違って愛想が良すぎて逆に嘘くさい。

 人買いに連れて行かれる感じに真珠は連れ去られた。

 だが、裏の世界に精通しているという侑李はちゃんと危ない場所を避けつつ、ドバイを案内してくれた。