ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 ドバイに戻った桔平は会社に向かう車内で言う。

「俺は仕事に行くが。
 お前はどうする?

 建設中のホテルでも見てみるか?」

「何処にあるんですか?」
と真珠は訊いた。

 人工島の何処かかなと思う。

 ドバイには巨大な人工島がどんどん建設されている。

 上空から見ると、ヤシの木の形をしている「パーム・ジュメイラ」や「パーム・ジェベル・アリ」。

 世界地図の形をしている「ザ・ワールド」などだ。

 ほぼ完成しているパーム・ジュメイラには、豪華なホテルやタワーマンション、別荘などがある。

 桔平に訊くと、
「いや、その何処でもない。
 うちのホテルだけの人工島を建設している」
と言う。

 ……いや、何処に向かってるんですかね? この人は、と思ったが、確かにそんなホテルもあるし。

 言ってみれば、一島一リゾートのモルディブみたいなものかなと思う。

 ……まあ、モルディブの素朴な感じと違って巨大そうなのだが。