ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 ハンモックは二人で寝ても十分な広さがあったが。

 抱きしめられたまま寝る形になり、真珠は心の中で、ひーっ、と叫ぶ。

 ちゃぷちゃぷとハンモックの下で水音がしていた。

 ひんやりとした水の気配も伝わってくるが、ちょうど心地いい感じだった。

「まあ固まってないで空を見てみろ。
 綺麗だぞ」

 桔平にそう言われ、ずっと身構えていた真珠はようやくあおむけになってみた。

 降るような星空とはこのことか思うような夜空が見える。

 デッキに点々と置いてある柔らかな光のライトも視界の端に入っていた。

 そのせいで、そこまでがひとつながりの星空みたいに思える。

 まるで、地上を覆う星空のドームの中にいるようだった。

 そんな幻想的な光景だったので、ぼんやり夜空を見上げていると、横に寝ている桔平が真珠の腰を抱いたまま囁いてくる。

「大丈夫だ。
 からかっただけだ。

 特に不自由はしてないから、襲わない」

 いや、それはそれでどうなんですかね?

 やはり、第一、第二ラジオ体操が……、

 違った。

 第一、第二夫人がいるのでしょうか。