ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「俺はなんでも受け止めるぞ、お前の言うことなら。

 ……その、お前の戸籍を汚してしまったり。
 いろいろ世話になってるからな」

 このままでは終わりそうにないな、と思った真珠は仕方なく口を割った。

「実は、あなたの妻だと一部の人にバレて、変に気を使われて、いづらくなったんです」

 いえ、気になさらないでください。
 あなたのせいではありません、と真珠は言った。

「あなたがホテル王なのも、イケメンすぎるのも金持ちすぎるのも。
 あなたの欠点ではありません。

 本人にはどうしようもないことですしね」

「……欠点なわけあるか。
 お前にとってはどうだか知らないが……」
と今にもライオンが出てきそうなジャングルを背に言う桔平に、

「えーと。
 ともかく、お気になさらずに」
と真珠は言った。

「ところで、もう遅いですが。
 帰らなくていいんですか?」

「なんで俺が帰る設定なんだ」

 まあ、このヴィラ広いから、同じところに泊まっても大丈夫か、と思ったとき、桔平が言った。

「なんだ、不安そうだな。
 大丈夫だ。
 襲うぞ」

 そこは襲わないぞではっ?