ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 

 桔平は一応、真珠を座席まで送ってくれた。

「早く閉めろ。物騒だから」
と桔平は言うが、閉めたところで、上は空いているので、どのみち、完全な個室にはならない。

 だが、ずっと監視するようにこちらを見ている桔平の視線から逃れたく。

 では失礼致します、と頭を下げたあと、真珠は慌てて扉を閉めるボタンを押した。

 しかし、電動の扉はゆっくり動いて、なかなか閉まらない。

 その間、無表情な桔平と向き合うことになる。

 は、早く閉まってください~っ。

 またも笑顔を引きつらせながら真珠は耐えた。

 ようやく扉は閉まり、桔平が通路を挟んで隣の席に戻っていく足音がした。

 真珠は、やれやれ、と座席に腰を下ろす。

 バーラウンジに行く前に頼んでいたので、座席は倒され、ベッドメイキングができていた。

 パジャマに着替えて横になり、星空が映し出された天井を見る。

 結構リアルで、いい雰囲気。

 でも、本物の星空が見たいな。
 いつか見たみたいな、満天の星空。

 眠れなかったら映画でも見ようかと思っていたのだが。

 何処でも眠れる真珠は、あっという間に眠りに落ちていた。