ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 日本人スタッフがバーテンダーをしていたので、二人で彼と少し話しながら、ワインを用意してもらう。

「まあ、座れ」
と言われたので仕方なく、ちょっと緊張しながら、空いていたロングシートに腰掛け、桔平と話した。

「急だったから、完全個室の新型機がとれなくて悪かったな」

「いえいえ。
 充分ゆっくりできてます」

「そうか。
 まあ、こっちの機体の方がシャワーも機内ラウンジもあるしな」
と言ったあとで桔平は一度沈黙した。

 間が持てなくて、ワインを呑んでいると、
「……なにしてたんだ?」
と訊いてくる。

「え?」
「暇だろ、フライト長いから」

「ああ、えっと、ゲームしたり、アラビア語の学習してました」

 機内でいろんな国の言葉を学べるようになってるんですね~と真珠は笑ったが、
「いや、今か……」
と言われる。

 だって、この旅、いきなりだったではないですか……と思ったとき、CAさんがポラロイドカメラで記念写真を撮らないかと言ってきた。

 そういうサービスのようだった。

「せっかくだから撮ってもらおう。
 お前が妻だという証拠になるしな」

 普通、そこは記念になるしな、ですよ……と思いながらも、二人で撮ってもらう。