ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 入る前にきちんとお掃除されているので、シャワールームは乱れなく綺麗だった。

 真珠は急いでシャワーを浴びた。

 二十五分貸し切れるが、お湯が出せるのは五分だけだからだ。

 席に戻るとき、チラ、と桔平の方を見てみたが、彼の席の扉もぴたりと閉じられていて、なにやら拒絶されているように感じてしまう。

 まあ、上部は空いているので、長身な真珠だと、ちょっとは窺い見れてしまうのだが。

 桔平は映画かなにかを見ているようだった。

 自分の席に戻ると、お茶とフルーツが用意してあったので、それを食べた。

 充分満足だったのだが、用意してあるパジャマに着替える前に、バーラウンジを覗いてみた。

 ビジネスのエリアにあるので、侑李もいた。

「サンドイッチ、おいしかったですよ」
と教えてくれて去っていく。

 じゃあ、サンドイッチとお酒でも軽くもらおうかなと思ったそこに、桔平がやってきた。

 うわ、ここで出会うとはっ、と思ってしまったが。

 まあ、搭乗中は、そのくらいしか出会わなかったわけだ。