ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 ご老人たちと話していた桔平は、侑李に肩をつつかれた。

 ん? と振り向くと、
「逃げました、真珠様」
と言う。

 に……

「逃げましたじゃないだろう~っ!?」

 桔平は叫んで、辺りを見回す。

 真珠の姿はもうなかった。

「なにを言ったんですか。
 ああいう人は、ゆっくりじっくり攻めてかないと駄目なんですよ」

 弟でも叱るように侑李は言う。

 いやいや、まず、逃げるの止めろよ~っと桔平は思っていた。