ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「でも、快く送り出してくださった職場の方々にはなにかお土産買って帰らないとですね」

「そうだな。
 こちらでなにか用意させようか」

 いえ、あなたなにか途方もないものを用意しそうだからいいですよ。

 そう真珠は思っていた。

 金銭感覚おかしそうだからな……。

「大丈夫ですよ。
 私、適当に見繕って買うんで」

「そうか。
 まあ、観光ついでに土産を買うのもいいかもな。

 お前を拘束するのは、一日くらいのものだし」

 それも夕食の時間だけとかかな、と桔平は言う。

「スークに行くといい。
 何処もカラフルなものが山積みされてて、いつも祭りみたいで楽しいぞ」

 スークとはドバイの旧市街などにある昔ながらの市場だ。

「いいですね。
 行ってみたかったんです、スーク。

 ……でも、スークにありますかね? 鳥羽の土産」

 何故、鳥羽……という顔を桔平はしていた。