ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 プールサイドのパラソルの下で、今度はノンアルコールでないカクテルを呑みながら、三人で夕日を眺める。

「桔平が来たから、もう帰るよ」

「悪かったな、侑李。
 なんだかんだで、休みを潰させてしまって」

 ちよっと冷静になった桔平は友にそう礼を言った。

「いやいや、楽しかった。
 まあ、見張ってなくとも、真珠様がナンパされることはないかなとは思ってたんだけど」

 そんな自信を持って言い切られると、あれなんですけど……と思う真珠を見て、侑李は笑う。

「だってさ。
 海外出ると、日本人って子どもにしか見えないじゃん」

 ……そういえば、未島さんが来てくれる前、プールサイドでちょっと話して仲良くなったイタリア人の新婚さんにお菓子もらったな。

 妙に微笑ましげに私を見たけど……。

 もしや、私、幼児に見えていたのだろうか。

 親が商談とかで出かけている間、ひとりで遊んで待ってる子どもに見えたとかっ?

 こんな身長あるのにっ?

 水着だったのにっ?

 苦悩する真珠の横で、
「気をつけて帰れよ」
と桔平が侑李に言っていた。