ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 桔平は溜息をついてしゃがむ。

「誰かここに送り込んでくるかと思ってた」
と笑う侑李に桔平は、

「いや、よく考えたら、お前が一番安全な気がして。
 ……じいさんたちの次に。

 他の若い男を見張りに寄越して、真珠に夢中になられても困る」
と言い出す。

 いや、そんな莫迦な……。

「女子社員は?」

「女子社員なんかお前のところに送り込んでも、お前に籠絡されて、見張りなんてできないだろうが」

 あー、喉乾いた、と言いながら、桔平はプールサイドのバーに向かう。

「お前らもなんかいるか?」

「いえいえ、社長様にそのようなことをしていただいては」
と笑いながら、侑李がプールが上がったので、真珠もついて上がった。

 なんだかんだで、侑李が真珠たちのためにいてくれたことはわかっていた。

 知らない場所にひとりきりだと寂しいだろうと思ってくれたのだろうし。

 ホテルの中で迷子になるかも、と思ってくれたのもあるだろうし。