ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 



 日が高くなってくるにつれ、ぐんぐん気温が上がってきた。

 桔平が帰ってしまったので、真珠はひとり、ラクダに乗ってみたり、アーチェリーをやってみたりしていたが。

 プールからの眺めが綺麗だな、と思い、水着を買って、プールに入ることにした。

 泳ぎは得意ではないが、他の人たちも泳ぐというより、くつろいだり、プールサイドで、飲んだり食べたりしているだけのようなので。

 真珠はヤシの木と赤いパラソルと壺に囲まれたプールで、ノンアルコールのトロピカルなカクテルを飲みながら、地平線を眺めていた。

 たっぷりの水の中から砂漠見るってすごいな……。

 そんなことを考えながら、水に浸かって、ぼんやりしていると、

「真珠様」
と呼びかけてくる声がした。

 プールサイドを見上げると、侑李が立っている。

「あれ? おじいさんたちの誰かが来られるんじゃなかったんですか?」