ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「砂漠のホテルは何処もそんな感じのコンセプトで作られているところが多いからな。
 ……うちも次、砂漠に建てるときは、そうしたいな。

 それでいて、今までのホテルとは違う特色のあるホテルにしたい」
と言う桔平に、

「宝を埋めたらいいと思いますよ」
と真珠は言った。

「……なんだって?」

「遺跡といえば、宝ですよ。
 あちこち埋まってる感じにしたら、ときめきますよ」

「どうやって、あちこち埋まってる感じにするんだ」

「壁に暗号を書くとか。
 エントランスに謎の地図を置くとか。

 廊下の隅から隠し損ねた水晶が突き出してるとか。

 歩いてると、槍が飛び出してくるとか」

「いや、最後のは危ないよな……」

 趣味丸出しでそんな話をしているうちに、視界の端に光を感じた。

 眼下の砂漠を振り向く。

 闇の向こうに、一点明るい光が見えたと思ったら、あっという間に、その光が広大な砂漠を照らし出した。

「すごいですね……」
と真珠がもらすと、桔平は、

「これをお前と見たかったんだ」
と肩を抱き、頬にキスしてくる。

 ちょ、調子に乗ってますよ、この人……と思いながら、その手を肩から外そうとしたが、外れなかった。