ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「そんなお前だが」

 いや、どんなお前なんですか……。

「さっき、俺を見つけて駆け寄ってくる姿を見て、うっかり可愛いと思ってしまった。

 恋の病かな。

 普段だったら、どうやったらホテルの中で迷子になるんだ、このボケが、と思うのに」

 きっと、なにかのフィルターがかかってるんだな、と自分で言う。

「……きっとすぐにそんなフィルター外れて、私に呆れてしまいますよ」

 かもな、と言ったあとで、桔平は真珠の腕をつかんで言う。

「でも、今はお前が欲しい」

 まっすぐに見つめてくる桔平に真珠は言った。

「……すぐに呆れるかもしれないのに?」

「永遠の愛なんてないよ、真珠。
 ずっとお前を好きでいる自信なんてない」

 どんな口説き文句ですか。

「だから、今、お前が欲しい」