ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 ドバイ直行便のあるこの航空会社は一日一便しかないのに、ラウンジはとても広かった。

 真珠はダイニングエリアで、ナッツとシャンパンをもらい、ふう、と座り心地のいい革張りのソファに身体を沈める。

「あー、私もう、ここでいいです。一晩軽く寝られそう」
と目を閉じた。

「こんなところでヘタレるな。
 ドバイは遠いぞ」

「なんでそんなところにホテル作ってるんですか~」

 戸籍だけの夫、有坂桔平(ありさか きっぺい)は、なに言ってんだ、こいつ、と言う顔をする。