ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 

 
「……まさか、異国の町じゃなくて、ホテルで迷子になるとは」

 真珠は桔平の予想通り、ホテルの中で迷っていた。

 あのあと、また、佳苗から、
「あんた、もしかして、ドバイにいる?」
と入ってきた。

「はい。
 佳苗さんたちにお土産も買いましたよ~。

 またよさそうな写真でも撮れたら送りますね」
と返事をしたので、この素敵な夜の砂漠ホテルの写真を撮っておこうと思って出てきたのだ。

 これだけのホテルだ。
 朝見ても昼見ても素晴らしい眺めなのだろうが。

 ライトアップされた夜の景色はまた別格だ。

 ランプや雰囲気あるライトに照らし出された異国の建物の中は、物語の世界に迷い込んだようで美しい。

 ちなみに、真珠が逃げてはいけないと佳苗たちは中峰がドバイに向かおうとしていることは伏せていたので、真珠は知らないままだった。

 スマホを手に写真を撮って歩いているうちに、真珠は何処から来たのかわからなくなっていた。

 フロアマップとか何処だろう?

 スタッフの人見つけて、部屋番号言って、連れてってもらおうかな。

 言葉もいまいちわからない遠い国で迷子になった真珠は心細くなっていた。