ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「なんかいろんなところに移動してたみたいなんだが、その女性。

 島に行ったのかと思ったら、鳥取砂丘に行っていて……。

 いや、結局、鳥取じゃなかったのか?」
と桔平は真剣にメールを読んでいる。

「わかりにくい文章だな。
 酔ってんのか?」

「それって、女性の方から、『今、島よ』
 『今、鳥取砂丘よ』とか送ってきてるんですか?」

「さあ、知らないが。
 『今、ドバイよ』らしいぞ」

「なんかそれ……
 次は『今、あなたの後ろにいるわ』になりそうですね」

 真珠はおかしなところで勘がよかった。

 中峰は今まさに、『今、あなたの後ろにいるわ』と真珠の背後に立つために、飛行機を予約しているところだった。

「いや~、いい星空ですねえ」

 メールのおかげで、桔平との間に漂っていた緊張感が薄れ、ホッとした真珠は呑気に酒を呑む。