ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 



「あ、真珠から返事来た」

 えっ? とコタツで倒れて寝ていた中峰(なかみね)は起き上がり、佳苗の手にあるスマホを取った。

「あっ、こらっ」

「『鳴らないです』ってなにがですか?」

 真珠の大学の先輩で、以前、真珠と同じ会社で働いていた中峰は、今でも真珠を想っていた。

 それで、突然、夫がいると言って消えた真珠を追いかけていこうとしていたのだが。

 今、彼女が何処にいるのか、いまいちつかめないままだった。

 鳥羽から移動したことは確かなようなのだが……。

「この間、島にいるとか言ってたのに。
 今度は鳥取砂丘にいるみたいなんだけど」

 ほら、と佳苗は送られてきた夕日の写真を中峰に見せる。

 なるほど。
 ラクダと夕日と砂漠。

 鳥取砂丘のようだ、と中峰は頷いた。

 だが、
「鳥取砂丘ってそんなんだっけ?」
と佳苗の同期、吉田がスマホをとる。

「こんな角度で撮ったら、大抵、海が映るけどね、あそこ」