ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 ライトの灯りに照らし出された中、豪快に焼かれた肉やソーセージなどを食べながら、星空の下でエキゾチックなベリーダンスを鑑賞する。

 ちょっと寒くなってきて、真珠がくしゃみをすると、桔平が上着をかけてくれた。

「あ、いいですよ。
 有坂さん、風邪ひきますよ」

「いい。
 俺はそんなに寒くない」

 いや、そんなこともないだろうにな、と思いながら、真珠はテーブルのランプの上に手をやり、
「こうすると、あったかいですよ」
と教えてみたが、

「それ、暖をとるためのものじゃないだろう」
とすげなく言われる。

 うむ。
 有坂さんが風邪をひかないか心配していってみたのだが、心配が伝わらなかったようだ……と真珠は思った。