ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 結婚式でコンタクトしてなかったから、夫がわからない妻と、今、妻がウエディングドレスを着ていないからわからない夫。

 どうなんですかね? と思ったとき、色白で明るい髪のハーフっぽい男がやってきた。

 長身だが、桔平より線が細い。

未島(みしま)さん」
と真珠は、ホッとする。

 桔平の秘書の未島侑李(みしま ゆうり)だ。

「お前、俺はわからないのに、侑李はわかるのか……」
と桔平が言う。

 侑李は桔平の家の執事の息子だと聞いた気がする。

 幼なじみのようなものなのだろう。

「だって、あなたとは一度しかお会いしてませんが。
 未島さんは打ち合わせに何度かいらっしゃったので。

 よかった。
 未島さんも一緒なんですね」

 知っている人がいるとホッとすると思ったのだが。

「飛行機では離れてしまいますけどね。
 私はビジネスなので」

 そう侑李は笑って言う。