ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

「なんて言われてたんですか?」

 わからずに適当な返事するなよ、という顔をしたあとで、桔平が、

「楽しいご夫婦ですねって言われたんだ」
と言う。

「……夫婦なんて名乗りましたっけ?
 同じ苗字だったからですかね?」

「兄妹でも苗字同じだろ」

 顔が似てないじゃないですか、と言いながら、また車に乗り込む。

 ひーっ、すでに砂だらけ、と思いながら。

「探検隊みたいな格好で間違いなかったです」

「ビーチサンダルの探検隊いないと思うが……」

 砂漠はビーチサンダルの方がいいと言うので、桔平が買ってくれていたビーチサンダルに履き替えていた。