ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました

 


 砂漠のツアーの日、真珠は楽しみで早くに目を覚ましてしまった。

 デザートサファリは砂漠に沈む美しい夕日を眺めるために、昼過ぎに出発するようだった。

 まだ時間があるな、と思った真珠は、ベッドの上に土産物を並べてみた。

 社食の仕事はもう辞めてしまったけど、みなさんにお礼を兼ねてお持ちしなければ、と買い集めた、カラフルなポーチや小皿、サンドボトルなどだ。

 本格的なスークは客引きがすごくて、ビビってしまい、あまり買えなかったので。

 あのあと、ショッピングモール内にあるスークなどでゆっくりと眺めて買った。

 お土産が溜まっていくたびに、帰る日が近づいてきている感じがする。

 なんだかちょっと寂しいな、と真珠は思った。

 いや、みんなに会いたいし。

 あの谷中の家も怪しい朝顔も懐かしいのだが。

 その谷中の家に持ち帰る予定のモザイクガラスのライトも並べてみた。

 気に入ったものを三個買ったのだ。

 ブルー系のと赤系のとオレンジ系の。

 その側にあの美しい装丁のアラビアンナイトの絵本を置いた。

 谷中の古民家に似合わないような、意外としっくりくるような……。

 真珠は天井から吊り下げたライトに照らし出された木造の狭い廊下を想像し、ちょっと微笑んだ。