「で、あんたはなんでそんなに拗ねてるのよバカエマ」


「あのねっ、わたしはそろそろスカートにしたいのにハヤセが───あ、ハヤセおかわりっ!」



かしこまりました、と。

食堂にてハヤセは、結局いつもと変わらない制服姿のわたしのお皿に器用にカットしたテリーヌを追加させた。



「それでね理沙っ、わたしもう廊下だって走らないって言ってるし勉強だって頑張ってる!
それなのにスカートは───あ、ハヤセこれ美味しいっ」


「……だめ、ぜんぜん入ってこないわ。あんた人生楽しそうでいいわね」


「え?いま怒ってるんだよわたし!」


「どこがよ。早瀬さん大好きってことしか伝わってこないけど?」



そんな言葉に、ボッと顔が赤くなったのを唯一の友達である九条 理沙(くじょう りさ)は見逃さなかった。

ニヤリとからかうように笑ってぐいぐいと肘でつついてくる。



「良かったわねぇバカエマ。早瀬さんが戻ってきてくれて」


「なっ、なんのこと?ハヤセが戻ってきたいって言ったから仕方なくわたしは受け入れてあげたの!」


「へぇ~、どーだか」