そんな名前の天子様なんか聞いたことがない。
ただの酔っぱらいの戯れ言かと呆れる思いだったが、女の悲鳴に泣き声、これじゃあ料理が不味くなる。
「芹沢さん!!あんたは酔いすぎだ!!いい加減にしやがれ…!!」
「黙れ土方…!!農民の分際で儂に指図するな!!」
「…あ”?なんだと?てめえがどれだけ俺達に迷惑かけてきたと思ってやがる!!」
「こんな挑発に乗ってどうするんですか土方さん!斎藤君は芹沢さんを押さえて…!!」
どうやら大人数らしい。
男が寄って集って騒いで、女を泣かせて情けなくはないのか。
芹沢、そして土方、お前ら2人が出ていけば事は収まるんじゃないのか。
「お、隣は壬生浪士組かな」
「…知ってるのか」
「最近よく聞くよ。京の町で暴れる浪人を取り締まる、暴れる浪人集団がいるって噂をね」
なんだそれ。
それじゃあ意味が無いと思うんだが。
共食いということか?
まぁ確かに今だって暴れてる奴等で間違いない。
「しかし興味深いな。壬生狼、俺も少し気になってたんだ。───小雪、」
「え、おい、」
「俺達も友達になってもらおうか」



