元気そうで何より───と、それはお互いに言わなくても伝わる挨拶だった。
「なにしてるんですか土方さん。いい加減にしてくださいよ、巡察中でも女を口説くのは見てられませんって」
「んなことしてねえよ。俺は人の女は趣味じゃねえ。つうか、毎度サボって甘味処に行ってんのはてめえだろうが」
「え?なんのことでしょう」
こうして季節が移り変わるように、そこにもまた新たな出会いがあるのだろう。
柔らかい顔をしながら会話をする2人の背中を見送り、青く広がる浅葱色の空を仰いで足を進めた。
「ちなみに私の名は出雲 小雪だ。固い頭の片隅にでも入れておけ」
「はっ、相変わらず可愛くねえ女だ」
彼等とは反対方向へ。
新撰組、いわゆる佐幕派として立てられた組織だという。
「それにしても……女に見られてるってことか」
沖田にも“女”と言われた。
刀を外して着物として使う布を持って、そんな私は周りと変わらない町娘に見られているのだろうか。
景秀、やっぱり隣にお前がいたら…もっと嬉しかった。



