夜が明けぬなら、いっそ。





刀が無ければ逃げるしか道はないのたが、身体のことを思うとそれも容易なことではない。

どうにか穏便に済ませることは出来ないかと考えていると、背中から息切れする足音が近づいた。



「あ、居ましたよ土方さん。すばしっこい奴でしたね」


「…お前が見逃さなかったらこうなってねえよ総司」



………聞いたことがある声だ。

それと、少しばかり懐かしい名前だ。



「し、新撰組…っ!ひぃぃぃいい!!」


「大人しく捕まるか、暴れて斬られるか、どちらを選びますか?」


「つ、捕まりますぅぅぅっ!!」



すぐに男は引き渡された。

ふう…なんて一息吐いて私も戻ろうとすれば、「待ちやがれ」と案の定。



「…なにかご用で?」


「いいや、誰かに似てる気がしてよ。俺の勘違いか」



そうだ勘違いだ。

前より凛々しくなった顔、そいつは新撰組という組織に命を懸けている武士となったようだ。



「悪ぃな。俺ぁどうやら、もっと生意気で挨拶がてら殺しにかかってくるガキと間違えたみたいだ」


「…ふっ、とんだ勘違いだな土方」


「うるせえ。ガキばっか集まって仕方ねえんだよこっちは」