【短】千波~thousand wave~



かりかり、かりかり…



「ねーーーぇぇ?こーたぁ~」


10分も経たない内に、なんとも間延びした声で呼ばれて。

オレは部誌を書くことを中断せずに返事だけする。



かりかり、かりり…



「…今度はなんです?」

「こーた…」

「……だから、なんですか?って…」

「…すき」

「…あぁ、そうなんですか?………ぇ………?」



ぽきっ



先輩の口にした言葉にあまりにも驚いて、手にしたシャーペンの芯が派手な音を立てて折れてしまった。

その折れた芯が部誌の上を転がるのを見つめながら、何を言われたのか考える。


だけど、それでもまだ何を言われたのか、頭の中がごちゃごちゃになっていて…。



すき?
誰が、誰を?
…え?
先輩が…オレを…?


うそ、だろ……?