「…今のは…」
「おまじない。…こうすれば、もう痛くなくなるでしょ?」
「…あの…」
「こーただから…特別なんだよ?…ねぇ、まだ分かってもらえない、かな?」
そう言いながら、また一番最初の時みたいにオレの前の席に戻った先輩を、今度はちゃんと見つめ返す。
ほんのりピンクの頬が…少しだけ潤んだ瞳が…。
そして、オレに微笑み掛けるその顔が…凄く愛しくて。
視線を外すことなく、ちゃんと気持ちを伝えられるよう…お願いをした。
「また、痛くなったら…さっきみたいにしてくれます?」
「…それ、あたしだけの特権にしてくれる?」
「…えぇ、勿論ですよ…先輩だけです」
「…先輩じゃなくって…あたしのこと、ちゃんと呼んで?」
「…あ……いいんですか?」
「うん…そうしてくれた方がいい。そしたら、こーたが安心するまで…何回でも、してあげる」
照れ臭そうにさっきよりも柔らかい笑みを浮かべた先輩に、手を差し伸べて。
そっと開きっぱなしの部誌の上に出してくれた手を握り締める。
「…英恵さん……好きです…」
「ん。…あたしもこーたのコト、大好きだよ」



